2011年12月30日金曜日

内田樹「レヴィナスと愛の現象学」読みました

2011年の最後に相応しい読書体験ができました。50台突入にあたり、改めての愛と学びの姿勢の持ち直しというか。愛と学びは本質が同一です。自らの過去を振り返り、学びに比べて愛の方が決定的に弱かったです。中堅の頃、「愛情開発」を自分の人生テーマとしたことは間違っていなかったはずです。

沢田健太「大学キャリアセンターのぶっちゃけ話」読みました

真面目に働いている人はみな大変です。
未熟ということに誠実に向き合い、未熟が熟すのを待つという仕事と思います。弱者救済思想としての新卒一括採用擁護論はその一貫性の現れと読みます。

2011年12月24日土曜日

中沢新一「日本の大転換」読みました

題名はポランニーあやかりでしょうか。
生物圏と太陽圏の概念を、社会と市場、贈与と価値交換、仏教と一神教(あるいはハーバーマス的には生活世界とシステム世界)とのアナロジー的に設定して、原発の異質性と限界を説く。ケネーの援用は、東さんのルソー援用を想起させる。ラカンは東さんも詳しいのだろうけれど、無意識との関係のサジェスチョンも共通性を感じさせる。再生可能エネルギーの問題は電源種の問題にとどまらない、贈与と交換の新たな関係の再編、宮台さん的には共同体自治に魂を入れる問題に連接する。
その再編の鍵として農業を捉えている点は新鮮でした。

2011年12月11日日曜日

東浩紀「一般意志2.0」読みました

久々に衝撃度の高い、社会科学の、全体性に迫る魅力的な仮説に出会うことができました。
ルソーがなぜ「社会契約論」と「エミール」の両方が書けたのか、鍵概念が動物となる訳ですが、これは東さんご自身の、非合理を尊重するオリジナルの姿勢ゆえの果実だと思います。
「無意識の可視化」の概念創造はすごいです。

リリアン・R・リーバー「数学は世界を変える」読みました

エレガントさを究極追求するような美しさ。
後先ですが、東さんの一般意志2.0とも通ずるような。「観測」の結果をログと捉えれば、その通じようにもっと迫れるかもしれません。
こういうトーテンポールようなの比喩から、専門性の尊重→民主主義にアプローチするやり方と、この本でも一部ベクトルの示唆ありましたが、群論とかを取り上げて、個々の数学分野の、いわば専門性の普遍性みたいなものに迫るアプローチと、私のような素人にとっての数学解説の有り難さは2通りあるのかなと思いました。

2011年12月3日土曜日

V・E・フランクル「夜と霧」(新版;池田香代子訳)読みました

本来高校生時代に通過していなければならない書物。やはりということで。
「あなたが経験したことは、この世のどんな力も奪えない」は、改めて民主主義の基礎と感じ入りました。
また、訳者あとがきが素晴らしく、旧訳の霧山徳爾さんのところで、フランクルの講演の説得力がコーヒーのカフェインに物理的に支えられていた、という満身創痍の物凄さが伝わってくるエピソード、および新訳池田氏の霧山氏への敬意が印象に残りました。