2010年10月10日日曜日

井上章一「愛の空間」読みました

「あとがき」に、著者の知的誠実さがよく表現されていて素晴らしいと思いました。
膨大な情報量の中から、ほんの少しの傍証を見つけ出していく、その執念・関心持続力です。
特に小説からの引用は出色です。「感情のあや」と表現されていましたが、この問題を扱うのにふさわしい姿勢・スタンスといえるのでしょう。
いつでもどこでも・・なので、そういう感情というか、欲望慣行というか、それと「モノ」、この本のテーマはモノとしての性愛空間ですね、つまり環境との関係は面白いテーマです。
あと、「くろうと」「しろうと」問題も気になります。待合、円宿、ラブホへの変化の背景を、広義の「民主主義の成熟」ということと重ねて理解してもよいのでしょうか?
あと、この問題は、この時間軸=歴史アプローチとともに、というかそれ以上に興味深いのは、空間軸=日本の特殊性の論点です。やっぱり特異らしい、という感じではあるのですが。和合、「和をもって貴しとす」→「いつでもみんななかよく」という感じでしょうか。
欧州は階級社会なので、たぶん庶民側の慣行情報がよくわからないのではないでしょうか。それも含めてこの分野で切り込む研究を期待したいですね。

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