2010年8月11日水曜日

マイケル・サンデル「これからの「正義」の話をしよう」読みました

カントの「動機」問題について。徹底的親切心がここに切り込むとして、人格陶冶につながるとの理路がある。育成の究極目的は、自分の格律の普遍化であり、それこそが自ら省みて尊重される、の意でしょう。
アリストテレス→ドゥウォーキンは時代が逆だが、美徳・目的上位の考え方と、それを民間レベルの関係に持ち込んだ場合(アファーマティブ・アクションの例)の展開。
マッキンタイアの物語論は米国内では少数派なのでしょう。人工実験国家建国の歴史からしての類推ですが。
ロールズの捉え方がやや不満なのですが・・。静態的正議論の枠内だとこういう捉え方になってしまうのかもしれませんが、彼は、「正しさ」>「善」は、あくまで作法と弁えた上で、人々が共通善へ至ろうとする努力の方途を明らかにしようとしたのだと思います。「無知のヴェール」は、複数評価軸&複数対策案のマトリックスを作成し続ける組織人の心構えなのです。
とにかく、米国の真面目さと良心が表れている著書と思います。採り上げられている事例とそれに付随する判例等がそれを証しています。PGA問題にしろ、大学不合格問題にしろ、同性愛問題にしろ、兄弟訴追問題にしろ、日本では考えられないような論考の真面目さではないでしょうか。

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