2008年5月31日土曜日

人はいつか死ぬ(退職する)、いわんや設備おや

2011年3月期から資産除去費用の引当計上が義務付けられるという。
2001年(だったかな)からの退職給付会計導入で実務に腐心した経験のある私にはある感慨が生まれた。
「人はいつか死ぬ(退職する)、いわんや設備おや」
設備の方が寿命が長い場合もあるかもしれないが・・。
発電設備や石油精製設備の寿命認識というのは、成熟社会の認識熟成の果実の一つではなかろうか。
退職金と土壌汚染除去費用のアナロジーは何か考えられるだろうか・・。
「長い間のおつとめごくろうさまでした。さようなら」

慶応義塾福澤研究センター開設25年記念講演会

・「政権」と「治権」の概念の分離。国防、外交等の国の役割機能と、教育、道路等の地方の役割機能を分けて考えること。

・「私徳」「公徳」「私智」「公智」の分類と、徳より智、私徳より公徳、私智より公智、という順序付け。一身の独立自治のため、現段階の戦術としては「智(インテレクト)」重視。企業実業レベルの言葉では、「ファクトコントロール(事実立脚)」「科学的論理的思考」。ということで勉強しよう。

・「人倫の本体は夫婦なり」「痩我慢の説」には、猪木武徳先生自身も理解の仕方に一定の慎重さを表されていた。そのポイントは、故清水祐三先生の解釈の仕方(=福澤の借金のすすめは艶福のすすめにもつながるのでは?)と通じるものがあるのでは、と感じた。

映画「パーク アンド ラブホテル」とトークショー(熊坂出監督と宮台真司教授)

宮台先生が庶民のレベルで話をしてくれると本当にありがたいです。
リリイ演じる艶子(ばあさん)が3人の若い女性の「心に火をつける」のが主題と喝破していただきました。
トークショーではラスト近くの美香の家族の写真が話題になっていましたが、私が印象に残ったのは、2番目のちはるが演じる女性に関するシーンで、失くしたノートを男の子が持っているのを発見した際の挙動。
彼女はとりかえそうとするそぶりを一切見せず、ノートに書かれていた数字のことを「変な女の所業」と語り、その後ノートを燃やしてしまう。
ああいうのが、おおげさに言えば、人間が成長する瞬間のリアリティと感じました。
ああいう瞬間はいつやってくるかわからない。ただただ成長を自覚的に追求していてもやってこない。
宮台先生が著書(「サイファ」だったか)で言っていた「訪れ」というものなのでしょう。
その後、すぐさまクビを言い渡す艶子もすごいのですが。
彼女はそれから朝の散歩に来なくなるが、ラスト近くになって、今度は旦那と一緒に散歩に現れる。
独りぼっちで「月までの距離」をカウントしていた自分との決別=成長の姿を見せてくれました。

トークショーでリリイの演技の凄さに言及されていたのですが、私自身があまりにも映像にシンクロしていたのでそういう自覚的な捉え方が出来ませんでした。裏を返せば、私のような素人が自覚的に捉えられないところこそが、凄い演技なのだということでしょう。

あと、「願望水準」の話もうれしかったですね。「願望水準と期待水準の乖離」のような話は、やはりそういう概念に自覚的にならないと見えてこない。宮台先生にはこれからも「心に火をつける」をテーマにした話をしていただいたいです。